名も無き量産機を愛するおじさんモデラーのプラモデルや食玩の製作記

コラム/雑記

「僕がどんなにボトムズを好きか、君は知らない」

投稿日:2019年12月5日 更新日: この記事は約6分で読めます。


votoms

ウチのATたち

色々な人から「何でそんなにボトムズ好きなんですか?(直訳:自分語り長げえ。ウゼエ)」と聞かれることも何度かあったし、自分でも何でここまでずっと好きでいられるんだろうって思うこともたまにあるので、ボトムズの魅力を自分なりに文章化して整理してみた。
検索でこのブログにたどり着いて、これからボトムズを観てみようなんて奇特な人がいたらちょっとだけでも参考にしてくれたらとても嬉しい。

ポイントその1 やっぱりメカが好き

ボトムズにはガンダムみたいなオンリーワンの主役メカが存在しない。

主人公は最も数多く作られた量産機(アーマードトルーパー:AT)を好んで搭乗し、戦闘で壊れたらあっさりと捨てちゃう。スコープドッグはガンダムで言えばザク、車で言えばカローラみたいな存在。
「ゲインが5倍もある。親父が熱中するわけだ」みたいなスペシャルメイドの一品ものとは対極の位置にあるわけだ。劇中では主人公がゴミ捨て場から部品を拾い集めて一体のATを組み上げて出撃するシーンもある。そういうのに痺れる。

過去記事:アクティックギア スコープドッグ ターボカスタム

メカとしてのスペックも、「身長は4メーター」「装甲の厚さは10ミリ程度(機銃弾を防ぐ程度)」「ポリマーリンゲル液(動作のための触媒)は簡単に引火する」「AT本体に与圧機能はなく、宇宙空間パイロットスーツが生命維持装置を兼ねる(でも着心地はおそらく最悪)」など、「安価で標準化された人型兵器を戦場に大量に送り込んで敵地を面制圧する(≒その目的を果たすために人命は軽視する)」というコンセプトが徹底していてブレがない。自分だったら絶対に乗りたくない。ああ怖い。

使用火器もビームライフルとかファンネルみたいなもの存在していなくて、実体弾を炸薬で撃ち出すものがメイン。あとは腕部に炸薬を仕込んで激発させてパンチを打ち出すアームパンチとか、炸薬で超硬質の槍を打ち出すパイルバンカーとか、何もかもが武骨で男臭い華がないだけどそこがいい

ガンダムで言うと鉄血のオルフェンズのMSの扱いはATにちょっと似ている。鋼鉄と硝煙の匂いがする。鋼鉄と硝煙の匂いしかしない。

ポイントその2 ブレない主人公

主人公のキリコは「死なない兵士」として描かれている。ここも大きなポイント。

遺伝的に保証された驚異的な運の良さと身体能力や生命力をもっていて、どんな戦場に投入されても必ず生き残る。(本人が生き残るけれども自軍が戦場で勝利するかは別問題。)なんなら心停止状態から何も処置を施さなくても勝手に蘇生したりもする。

キリコの特徴って突き詰めると実はそこだけで、確たる信念や理想をもっている訳でもなく、抱えきれない欲望を持っているわけでもない朴訥な青年として設定されている。彼の戦闘行為は大半が自分の意志ではなくて「命令されたから仕方がなく」とか「仲間のトラブルに巻き込まれて仕方なく」とか「死なない兵士はどこまで不死身なのか試してみたい」という権力者の思惑にハメられた結果だったりとだいたい地獄。

なぜ彼が超絶生き残っちゃうマンでいられたのか?、とか、その後に彼が見出した生きる目的は?とかはネタバレになっちゃうので、ここでは書かない。興味がわいた人はぜひテレビシリーズから映像を視聴して確かめて欲しい。おすすめはまずテレビシリーズ全52話を完走してからOVAシリーズを発表順に観る方式だ。発表順と劇中の時系列では順番が違うんだけど、制作者側がキリコのキャラクターを作品が進むごとにだんだんと固めていってる経過が分かるから、こっちの方が絶対に楽しめる。

「死なない兵士」は実は「死ねない兵士」でもあり、なかなか人生しんどいのだ。その辺のキリコの心情を推し量ることができるとボトムズを一層味わい深く楽しめるはずだから、できれば1回だけじゃなく何度も見返して下さい。そしてむせて下さい。

ポイントその3 閉じた世界観と使い回しの魅力

ガンダムワールドとの対比でみると、「ガンダムはいろんな主人公、いろんな世界観、いろんなメカが提供されていて、その広がりが魅力。(異論は認める)自分に合ったガンダムを見つけることができる」と言えるのに対して、ボトムズは「登場するメインキャラクターも全シリーズを通して4~5人しかいなくて、主人公も変わらない。メカのバリエーションもヘビー級・ミッド級・ライト級のそれぞれ1~2機種の派生しかない。」という具合にガンダムの逆張りとも言える世界観になっている。

勇気をもって言い切ってしまえば、この「狭さ」が魅力だ。

ガンプラはどんどん新作が出て新機体が出て、次々と新しいプラモを造る楽しさがある。でも、一方で「どこまで新作を追いかければいいんだろう?」みたいな気分もどこかであるはずだ。人によっては「俺は宇宙世紀しかガンダムとして認めない」みたいに割り切って閉じたループの中で視聴やモデリングを楽しむ楽しみ方もあるし、それも大いにアリ。

対して、ボトムズのメカ体系は上述のように限られており、同じ機体をいくつかのメーカーが別のスケールでリリースしていて、種類は少ないがじっくり作りこめば十分に楽しめる芳醇なプラモデル環境が提供されている。スコープドッグのプラモだけでもタカラの1/24と1/35、ユニオンモデルの1/60、waveの1/35、バンダイの1/20があり、ガレージキットやガシャポンや完成品トイを含めると数えきれないほどの製品ラインが存在する。

過去記事:Wave 1/24 スコープドッグ バーコフ機

だから、「前回はスコープドッグを湿地帯で使われたイメージでウェザリングしたけど、今回は砂漠戦で大ダメージを受けた想定でクラッシュモデルを作ってみよう。もちろんスコープドッグで。」とか、「タカラの1/35スコープドッグとwaveのスコープドッグを作り比べてみよう。waveの方が最新フォーマットでスタイリッシュだけど、30年以上前に発売されたタカラの1/35も味があるな。コイツを最新のマテリアルと技術で超絶アップデートしてみるのも楽しそうだ」という具合に、「狭く、深く」楽しめるのだ。色んなスコープドッグを作り続けるだけで何十年も楽しめる。本当だ。

過去記事:タカラ1/35 ストロングバックスの関節を全とっかえしてポリキャップ化

また、作中でのATの使われ方にも限られた武装ゆえの「使い回しの魅力」がある。ATがバランスを崩した時に、マシンガンを地面に向けて撃って反動でバランスを取り戻す技「ブー・スタンド」、炸薬で拳を打ち出すアームパンチの反動を使って宇宙空間で推進剤を使わずに短距離移動を実現したり、コックピットの位置を下げてパイロットの搭乗をしやすくする降着機構(ヒザ関節が前面にせり出して地面に設置する。)を、パラシュート降下時のショックアブソーバー代わりに使ったりと「アリモノを別目的に流用する」「使えるものは親でも使え!」的な、ある種の乱暴さはボトムズワールドのスパイスになっている。

ガンダムワールドがどんどん広がる「足し算の魅力」なら、ボトムズワールドは「引き算の魅力」。シンプルだけど深い。何度も何年でも同じ映像・同じメカをスルメを噛むように楽しんでいけるのだ。

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

もし未見の人がいたらDVDを借りるなりしてまずは本編を観て欲しい。で、もうちょっと深入りしたかったら一体だけでもATのプラモを組んでみて欲しい。きっと一体じゃ済まないだろうけど。

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◆2019/8/31  模型雑誌のボトムズ/ダグラム系モデル作例記事一覧をアップしました◆

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