このブログは「装動 改造」や「装動 塗装」というキーワードで検索して訪問してくれる方が多いみたいなので、装動を40体以上、改修や塗装をしている自分が普段やっている装動の定番の改修ポイントを書いてみたいと思います。
ビフォーアフターの写真です。
あんまり変わらないように見えますが、左側は無改造でステッカーを貼っただけのもの。
右側が各種の改造を施して見栄えを良くしたものです。右側のものはほぼ全塗装してあります。(ベルトの塗り分けは断念してシールを使いました。)
それでは改修のポイントを使った素材と作業難易度も入れてご紹介します。
ちなみに難易度の記載は★☆☆が難易度1(一番簡単)で、★★★が難易度3(一番めんどくさい)です。
ポイント1.肉抜き穴を埋める(難易度:★☆☆、使用素材:エポキシパテ)
装動はいくつか肉厚のパーツが使われている関係なのか、足(フクラハギ)の後ろ側とモモ上部の外側に必ず肉抜き穴が開いています。
ここをエポキシパテで埋めてやると見栄えが良くなります。
フクラハギのパーツは左右の合わせ目にマイナスドライバーを突っ込んでやれば簡単に外れるので、内側からエポキシパテをムニュッと詰めてやります。
ちなみにエポキシパテを扱う時は手袋をすると安全ですね。
それと、サウザーの場合は武器であるサウザンドジャッカーにもガッツリ肉抜き穴が開いているのでこちらも塞いでおきます。
ポイント2.後頭部のピンを切除する(難易度:★☆☆、必要な工具:ニッパーとスポンジヤスリ)
こちらも装動の定番の改修ですが、おそらく成形の関係で後頭部にピンのようなものがかならずあるので、ニッパーで切り取って、スポンジヤスリで整面しておきます。
ポイント3.ヒジ・ヒザの関節の穴も埋める(難易度:★☆☆、使用素材:薄いプラ版、エポキシパテ)
肉抜き穴以外に、ヒジの外側とヒザの内側の関節部分に丸穴が開いているので、こちらも塞いでおきます。
基本的にはポイント1の改修と同様にエポキシパテで塞ぐのですが、そのままやるとエポキシパテとパーツが癒着して、関節が曲がらなくなります。
なので、丸穴の大きさに切り抜いた薄いプラ版を丸穴に入れてエポキシパテと関節の部分に隙間を作ってからエポキシパテで埋めていきます。別の方法として、エポキシパテで埋める前に丸穴部分にメンソレータムを塗っておいて癒着を防ぐという方法もありそうですが、ワタクシは試したことが有りません。
この丸穴を塞ぐと、見た目のオモチャっぽさが軽減されます。
ポイント4.胴体を延長する(難易度:★★☆、使用素材:1ミリプラ版)
この改修は好みの部分が大きいのですが、装動の基本的なプロポーションはちょっとだけ胴が寸詰まり気味に見えます。
胴体側に1ミリプラ版を接着し、余分なところをニッパーで切り取ってから表面をペーパーで整えます。
人によっては2ミリぐらい延長する人もいますが、ワタクシはだいたい1ミリの延長ですね。
これで寸胴体型が解消されて、バランスが良くなります。
ポイント5.ヒジ関節の隙間をプラ版で埋める(難易度:★☆☆、使用素材:薄いプラ版)
この改修もほぼ自己満足に近いのですが、ヒジの関節にちょっとだけスキマが開いているので、0.3ミリぐらいのプラ版を接着し、ペーパーで馴染ませておきます。
この隙間はリバイスの素体になってからは解消されていますので、それ以前の装動に対する推奨加工です。
ポイント6.ツノの延長(難易度:★★★、使用素材:真鍮線、エポキシパテ)
やれば見栄えがアップするけど、なかなかに勇気がいるのがこの改修です。
装動みたいな小さいフィギュアはちょっとだけオーバーにこういうところを延長するとかっこよくなるような気がします。(しかし、今回はやりすぎました。。。)
延長したい部分のツノをニッパーでバツンとカットして、平らな面を作り、そこに極細のピンバイスで穴を開けて、真鍮線を差し込み、それを芯にしてエポキシパテやレジンなどを盛り付けていきます。乾燥したらヤスリで整形します。
ちなみにサウザーのツノは柔らかい樹脂のようなもので整形されていて、ヤスリをかけるのが大変でした。
サウザーの場合は必要なかったですが、装動の定番工作として、アンテナと言うか触覚の部品の後ろ側が、プラの金型から抜くときの関係上、どうしても前後に厚みが出てしまうので、それを後ろ側からヤスリで削ってシャープにする工作もやっておいたほうが良いでしょう。
注意!:パーツの割れとその対策
装動の本体はABSで成形されているので、ラッカーで着色することによる「パーツ割れ」が一定確率で発生することを覚悟したほうが良いです。これは塗装だけでなく、改造などをする場合もパーツに一定以上のテンションがかかった場合に発生します。
対策というか予防策は、装動の中でも比較的華奢(きゃしゃ)に作られている二の腕部分とヒジ関節が割れやすいということを予め押さえておき、そこはテンションを掛けないように丁寧に扱ったり、塗装をなるべくしないで済むような構成にしておくことです。
また、メンソレータムなどの軟膏を関節部分に塗り込んでおいて、渋みを調節するのも良いですね。
裏技的な対策として、ボディセットを予備でもう一箱キープしておくというのもあります。
龍騎シリーズなら、ブランク体が売れ残っているのを買っておくとかですね。安心して作業することができると思います。
番外.サウザーの場合は胸のアーマーを1ミリ上に上げるとカッコいい(難易度:★★☆、必要な工具:リューター)
あとは素材となるライダーそれぞれに見栄えがする改修ポイントが有って、サウザーの場合は胸のアーマーの位置がちょっと下に下がりすぎているような気がしたので、1ミリだけ上に上げてみました。
ポイント4の胴体の延長とこの追加工作で改修前より随分とスマートなプロポーションになりました。
具体的な工作としては、胸アーマーの取り付け穴をリューターで上方向に削るだけです。当然、そのままでは胸アーマーが固定できなくなるので、瞬間接着剤で固定します。
完成!
すべての改修を終えて、塗装したものがこちら。
腕の部分の紫色のラインとベルトの塗り分けは断念して付属のシールを使いました。
全身のゴールドの部分はいつもならシルバーの下地にクリアイエローを上塗りするキャンディ塗装にするんですが、今回は新しく購入したガイアのパールゴールドにちょっとスターブライトブラスを混ぜて塗ってみました。これはこれでキャンディ塗装とは違う味が出てOKかなと思っています。
装動はそのままでシールを張って仕上げても結構満足度の高いものが手に入るところがすごいんですが、ちょっとした改修を施すだけで大きく化けるところも魅力です。バンダイの装動の開発者の方のブログもいつも良い意味で暴走していて楽しいのですが、その暴走した情熱が詰め込まれたプロダクトが毎月リリースされて、1体900円程度で購入できるというのはとても幸せな状況だなあと思うのです。
今回はこのへんで。