中小企業診断士の一次試験まであと2か月弱といった時期ですね。
本気で合格したいと思っている受験生の方はそろそろ基礎的なインプットは終わり、本試験を視野に入れた対策に移りつつある時期ではないかと思います。今回は特に初学者=ストレート生に向けてのアドバイスとして、模擬試験をうまくつかって本試験で1点でも多くもぎ取るためのシミュレーションをしていくことを御提案したいと思います。
模擬試験の意味合いを考える
本試験が近づいてくれば予備校でも通信でも模擬試験の受験を勧められることと思いますが、筆者としてもぜひ受験されることをお勧めしたいです。ですが、「まあ本番前だし、受けないよりはもちろん受けたほうがいいんだろうからやっとこう。的中でもすれば儲けもんだしな」みたいな曖昧なスタンスで受験するのは受験料がもったいないです。
筆者なりに当時何を期待して模擬試験に臨んだのかを言語化すると、以下のような感じになります。
本試験での的中には期待しない。
ただし、予備校が考える合格のレベルに自分が達しているかの物差しとしては活用する。
同様に、上位20%(=本試験で想定している合格者の全体に占める割合)に自分がいるかどうかを確認する物差しとして活用する。
本番での体調管理や思わぬミスをしないためにどんな準備が必要になるのか、知っておくための本番バーチャル体験の場として活用する。
といったような感じです。一番最初の「的中に期待しない」については、今回言いたいことのメインではないのですが、読者として疑問が生じやすい論点かと思いますのでサラリと触れておくと、筆者の実感として、「的中にこだわりすぎて模試の内容ばかり復習したとしてもほとんど本試験では出題されなかったので意味がなかった」でした。これは予備校をディスっているつもりなはく、それぞれの予備校が年度別の出題実績から傾向を読むなどして工夫を凝らして模試の問題を作成しているものの、やはり中小企業診断士試験の出題範囲は広く、また、おそらく本試験の問題を作成する存在も複数の方が共同で作成されているであろうため、なかなか的中はないのです。故に、有るか無いかの的中に一喜一憂するよりも、上述のような「自分の現在のレベルのバロメーター」や「本番で全力を出し切るためのTips収集の場」として活用すると意識したほうが投資としての価値が高まると思います。
本試験ではどんな事故が起こるのか?
練習では抜群の記録を出していたスポーツ選手が、試合では予想外の悪い結果を出してしまうことがあるように、参加者全員がその日のために力を溜めて溜めて出し切る「本番」の場は、魔物が棲んでいると表現できるような、あらゆるアクシデントが起こりうる心理的にも身体的にも消耗を強いられる環境であることは間違いありません。
フィジカルとメンタルの両面が安定していなければ、今まで苦労してやってきたインプットがちょっと劣化してアウトプットされてしまう可能性が高いのです。中小企業診断士の一次試験の得点分布を見ると、合格点の付近に大量の受験者が集まっていることから、たった1問の正誤が合否を分けるケースも多く、単純なインプット以外の対策がこの1問の正解をもたらしてくれる可能性も実は高いのです。模擬試験受験の意味合いとして筆者はこの点についての対策が大きいと感じています。
では、本番ではどんな事故が起こり得るでしょうか?
休憩時間中にトイレに行こうとしたら、長蛇の列ができていて次の科目の試験開始のぎりぎりまで自席に戻れなかった
筆記用具を落としてしまい、頭が真っ白になってしまった。結果として拾うことが出来たが動揺して集中が乱れた。
自分の席が空調の吹き出しの影響を受ける場所で、寒くて集中できなかった
一日目の最終科目の運営管理で集中力が切れて解答欄を一つずつズレて書いてしまい、終了直前に慌てて書き直した。そのため、最終の見直しが出来なかった。
他にもいろいろなパターンがあるかと思いますが、準備ができるものとできないものがあり、出来るものについては可能な限りしておくべきです。そうした本番中に起こりうるアクシデントにはどんなものがあって、それによって自分がどのぐらい影響を受けるか、また、どのような対策がとれるのか」を知っておくために、失敗が許される模擬試験という場で、経験を積み、またほかの受験生がどのようなノウハウを使っているかを情報収集しておきましょう。
次回は実践編
ここまで読んで、なんとなく対策のイメージが付いた方は次回は読まなくてもOKかもしれません。とにかく実践あるのみ。自宅模試などの方式で受験することもできますが、もちろん会場での受験がお勧めです。
次回は筆者が体験した模擬試験会場でのアクシデントとそれを踏まえて講じた対策についてお伝えしたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
受験生各位のご健闘を祈念しております。